この雪の下で春を待つ
フーを降ろすと、フーはふらふらしていたのが嘘のように駆け出した。
少し距離を開けたところで振り返ったフーは雪玉を作って、それをリークに投げる。その雪玉はしっかりとリークの体を捕らえて…。
リークはやったなって言って、雪玉を作るとそれをフーに投げつける。
フーはもろに食らって、くしゃみをしたがまた雪玉を作ってリークに応戦する。
月明かりが照らす空の下。2人の子供の笑い声が響く。悲しいのを感じさせない、笑い声だった。
しばらくして、雪の上に転がった2人の口から白い息が出て空へ消えていく。
ちらちらと雪が降ってくる。月明りに照らされた雪はきれいで、同時に儚くて手の上に落ちた雪は一瞬で消える。