この雪の下で春を待つ

 フーの頬に雪が落ちる。

溶けた雪が頬を伝って、涙のように流れる。静かに目を閉じたフーの体が突然重さを増す。

小さな鼓動は動きを止めて、フーは眠った。

穏やかな顔は経った今逝ったと分かるには不十分で…。

リークは自分の中で消えた命が、本当に逝ったことを信じられなくて、眠ってしまったフーの頬を撫でる。

「バカだなぁ…」

自分も、フーも…本当にバカだ…。
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