この雪の下で春を待つ
「…いつ、逝った」
「雪が溶ける前。目を覚まして、眠った時だ」
リークは呆然とした口調で、布がかけられた少女の顔を凝視する。
まだ、心の整理がついていなかった。フーは逝っていないと、そう自分に言い聞かせていたせいでもある…。
ダイは深いため息をつき、そうかとただ一言いうとリークの肩を叩く。
「辛かったな。…フーはもう死んだんだよ」
「…フーが死んだ?」
「そうだ、フーはもう目を覚まさない」
言葉が恐ろしいほど簡単に心に入ってくる。