この雪の下で春を待つ

ジーンの小言にリークはうんざりした顔を浮かべる。

もうこの言葉を聞くのは聞き飽きた。大体、こんな小さな村でやったって大した稼ぎにはならないのだ。

ジーンはポケットから約束通りの銀貨3枚を取り出して、報酬として手渡した。

リークは当然のように受け取ってすぐに背を向けた。そんなリークにジーンは目を丸くする。

「おいおい、追加報酬の方は」

「遠慮しとく。贅沢はしない主義なんで。ここで腹いっぱい食うなら、この冬を越すために食料を蓄えるね」

「お前が生き延びてる理由がわかる気がする。わかった。それじゃあもう1枚つけとくぜ」

そう言って投げて寄越した銀貨を受け取ったリークは鼻で笑って、毎度ありとつぶやいて外へ出た。

外気との気温差に一瞬体が硬直したが、すぐに慣れて雪の降る中歩き出した。
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