この雪の下で春を待つ
家々の壁際に身を寄せ合って寒さを凌ごうとする孤児たちに、少しだけ目を向ける。
まだ生きている者もいるが、寄り添っている2人のうち1人が死んでいる者もいる。
この寒さはある意味、苦しむことなく逝かせてくれるからいいのかもしれない。
飢えさえも忘れるような寒さ。眠るように死んでいる孤児たちから視線を外したリークはうつむき気味で歩き出す。
目を合わせないためだ。
目が合えば、同情がわく。同情すれば自分が飢える。
だから1人で生きてきた。
守りたいものが出来たら負けなのだ。守りたいものが出来れば自分は危険すら惜しむことなく動いてしまうから…。