この雪の下で春を待つ

こいつに助けられたのか…?

起こさない様にそっと頬に触れると、外気で冷たくなっているものの確かに人のぬくもりを感じ、リークは慌てて手を引っ込めた。

自分にもたれ掛かっている少女は、あまりに軽くて驚いたが、それでも確かに温かった。

どれぐらい久しぶりだろうか…人のぬくもりに触れるのは。

人ってこんなに温かかったんだ…

このぬくもりがあればここの冬でも越せるかもしれない…。

だから孤児は身を寄せ合っていたのか?少しでもぬくもりを…父親や母親と同じぬくもりを求めて…。

背後でがちゃっと音を立てて開くドア。振り返れば、泣く子も黙るリサが出てきて視線が合った。
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