この雪の下で春を待つ
「リーク、今年も生き延びたか」
「4年目に突入だな。がんばれよ」
そんな言葉と共に、分け与えられる食料やわずかながらの金。盗みをしなくても、持ってきた袋1杯分になった。
これなら、2人で越せるか…?
再び頭を過った考えに、大きく首を振る。
気づけばフーの事ばかり頭に浮かぶ。こんなこと一度もなかったのに…。
だけど…と少しだけ想像した。あの修道院の地下で、自分とフーが並んでいる姿を。
食べ物を分け合い、お互いのぬくもりに包まれて眠る。食べ物が足りないのなら、盗めばいい。
あの寒い夜をぬくもりに包まれて眠ることができたのなら、どれだけ幸せだろう。
フーが隣にいるだけでそれが叶うのだ。食べ物も金だって十分にある。
あとは自分の覚悟だけ。