この雪の下で春を待つ
その中に怒りはない。孤児が溢れることで同時に増えるのは窃盗などの犯罪。孤児が減ればそれも同じように減っていく。
彼らは孤児に無干渉でいる一方、孤児の起こす犯罪に手を焼いているのだ。だから、ポールのやり方は非難するものの、完全に迫害はしていない。
彼らが本気で事を起こせばポールにパンの1つを売ることもない。それがあれだけ太るまでに十分肥える量を彼らはポールに売っているのだ。
それは孤児が少しでも減って欲しいと願う彼らの気持ちの表れだった。