この雪の下で春を待つ
すっかり目が覚めたものの、噛みつかれて起こされるとは思ってもみなかったリークはガラクタで遊んでいるフーを恨めしげに見つめる。
だが、その視線にフーは気づいた様子はない。
フーをここに連れて来て1週間。
リークの懸命な看病のおかげで、フーは体に残った毒もすっかり消え、今まで通りに動けるようになった。
地下の部屋にあるガラクタで遊ぶのが楽しいらしく、同じことを昨日からずっと続けている。コップやおもちゃの車に人形など関係なしに積み上げて、崩れるとまた積み上げはじめる。
今もそれをやっていて、おもちゃの車を乗せるとガラクタのタワーは崩れ、また1から積み上げはじめる。
リークは何が楽しいのかさっぱりだが、やめさせようと邪魔するなり怒って泣き出してしまうため放っておいている。
そのうち、周りに散らかっていたガラクタが全て積み上がったところでようやく気が収まったらしく、振り返った。