この雪の下で春を待つ
リークはフーを抱きしめたまま、ごめんとつぶやいた。
フーが少しだけ自分を見上げようともがいたのが分かる。
「あの時はごめん。怖かったんだ、誰かに寄り添うのが…でも、今は違う。俺はフーと一緒に居たい。ここにいてよ、フー」
「…フー…は……何も…ない…」
「フーはここに居てくれるだけでいいから…傍にいて。寝る時一緒にいてよ。フーがいなきゃ寒くてもう眠れないんだ」
フーと視線が合う。フーの目からは相変わらず涙が溢れていて、リークはその涙を拭ってやった。
「…いいの…?」
「うん」
「リーク…好き」
「…っ!?…うん」
好きなんて言葉聞くのは一体いつぶりだろう。もしかしたら初めてかもしれない。
フーは泣いたままにこにこしている。よっぽど嬉しいらしい。
急に甘えだしたフーは今までリークが一方的に抱き締めているだけだったが、フーからも抱きついてきて体が隙間を失くすくらいに密着する。