この雪の下で春を待つ
「フー、これ…何」
「わかんない…でも、取れない…」
しゃりん、と鎖がぶつかり合って音を出す。
首を通して外そうと思い、鎖を上げるが鎖の輪はフーの頭を抜けられるほどの大きさを持っていなかった。
今、道具はない。この忌々しいプレートを外してやることは出来なかった。
フーは奴隷だったの?
そう聞こうとした口を閉ざして、リークはフーを抱きしめなおした。
そんなこと聞かなくても、このプレートが物語っている。これは奴隷のナンバープレートだ。
意味までは分からないものの、これは確実に奴隷の情報が記されているもの。