この雪の下で春を待つ
フーはリークの服を握り、顔を押し付けた。その瞳から涙が止まる気配はない。
「大丈夫だよ。フーは俺が守るから…怖くないから、一緒に街を出よう」
「1人…いやだ」
「大丈夫、1人ぼっちになんかしないから…」
ずっと一緒にいるから。
その言葉は言わずに、フーをきつく抱きしめた。フーの涙がリークの服を濡らす。
何も言わずにフーの頭を撫で続けたリーク。
暗い洞窟で、互いに寄り添いたリークとフーはいつの間にか意識を失っていた。