この雪の下で春を待つ

 数日後…

―…パキッ、がちゃ…

「やった、取れた!」

「た~ぁ…うわ~ん」

重たい鎖の戒めが地面に落ちる。

喜ぶリークに対し、ようやく解放されてフーは泣き出した。誰かに甘えたくて、でも行き着く先はいつも1つだけ。

リークのお腹に頭突きを食らわせながらも抱きつく。そんなフーをリークはしっかりと抱きとめて、頭を撫でてやった。

そこに冷たい風が吹き込んできて、2人は思わず身を固くしてくしゃみをする。

鉄格子の外を見ると、雪が大量に降って吹雪になっていた。最近はフーの戒めを解くことに神経をすり減らしていたリークも外の様子に目を丸くする。

「最近、よく降るな」

「歯…カチカチっくち!」
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