この雪の下で春を待つ
「ふぎゃっ!?」
「あ…ごめん」
「う~…リークのばか~!」
きゃんきゃん騒ぐフーに、リークは思わず笑う。
荒れ果てて、倒壊しかけた修道院の前。大量に積もった雪は小さな子供2人が雪合戦で遊ぶには十分すぎる量を持て余している。
顔面で雪玉を受けてしまったフーの顔には雪が残り、真っ赤になっている。
その赤さに負けず劣らず、リークの頬も高揚していた。猫のように怒ったフーは、雪玉を作って投げるがその雪玉はリークに向かって飛んでいくうちに、どんどん崩れてやがて粉雪となってちらちらとリークにかかる。
「リーク、ばか~!!」
そのことにまたきゃんきゃん吠えて喚くフーに、リークは腹を抱えて笑った。