この雪の下で春を待つ

やがて、2人同時に雪の上に仰向けに転がって笑い出した。

2人ともすっかり雪まみれで酷いありさまだ。それでも、2人は笑う事をやめずに荒野に笑い声を響かせた。

高ぶった気持ちが落ち着いてくる頃、リークとフーは黙って空を見上げた。

今にも雪を降らせそうな雲が果てしなく続いている。太陽なんてもう何日も見ていなかった。

それでも、太陽の光が今は昼時だと教えてくれた。姿は見えなくても、2人が見上げる空のどこかに太陽は必ずある。

リークは勢いをつけて起き上がり、隣で寝転んでいるフーを片手で引っ張り起こす。

「そろそろ入ろうぜ」

最近あの地下の部屋に籠りっぱなしだった体をほぐすために外に出てわざわざ雪合戦をしたが、そろそろ体が冷えて限界だ。それに、辺りも少し暗くなりつつある。
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