誰かの武器としての生き方
「君は、武器ではない。君だけじゃなくてみんなもだ。我々は人間だ。個性のある人間。武器ではないんだ」

優しく言われ、ミカサの唇が微かに震え出す。堪えていた涙が頬を伝い、ミカサは慌てて涙を手で拭った。それでも涙は止まることがない。

「誰かの役に立てないと嘆く必要はない。誰だって人の意見に囚われて、どうしようもない時はあるんだ。少し休みなさい」

ハクサはそう優しく言い、ミカサの頭を撫で続ける。ミカサは静かに泣き続けた。

そして、一週間の休みをもらいミカサは家へと帰った。



朝、目を覚ますともう仕事へ行かなくてはならない時間になっていた。ミカサは一瞬慌てるが、休みをもらったことを思い出し、ゆっくりと体を起こす。

休みをもらって四日目。家にいてもすることがない。かと言って、外に出る気にもミカサはなれず一日をまるで謹慎処分を受けたかのように家で過ごしている。

チハヤと休暇を取った時には、チハヤに連れられておしゃれなカフェや神社へ行った。チハヤともう遊びに行けないのかと思うと、ミカサは胸が苦しくなる。
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