誰かの武器としての生き方

生きるための朝ごはんを無理やり口に入れ、身支度を整える。チハヤと買いに行った白地に水色鱗の柄のついた着物と水色の袴だ。

「ミカサ、可愛いんだからこういうの似合うと思う」

そう言いながら、チハヤに何着も試着させられ全部買うことにしたのだ。これは、そのうちの一着。

「チハヤ、何をしているんだろう……」

チハヤは休みではない。パトロールでもしているのだろうか。ミカサはそう思いながら、テレビをつける。この時間帯にやっているニュースを休みをもらってからは欠かさず見ているのだ。

テレビをつけると、ニュースがちょうど始まったところだった。椿と菊の花柄のオレンジの着物に緑の袴のキャスターがニュースを話している。

「××のお店で新商品が発売されることになりました！」

「行方不明になっていた××さんが発見されました！」

そんな明るいニュースばかりを言っていたニュースキャスターだったが、急に顔をしかめ始める。

「ただ今入ってきたニュースをお伝えします。特殊警察のビルに鬼一口の群れが現れ、特殊警察数名を攫っていったそうです」