誰かの武器としての生き方
スピードを緩めることなくミカサは山の中へと迷わず入っていく。草むらがミカサの足に絡みつくが、気にすることはない。

制服を汚しながら、なんとかミカサは荒れ果てた山の中にある古城にたどり着いた。ここは山に生息する妖怪たちの住処となっていたのだが、数年前から鬼一口の群れが占領している状態となっている。

本来なら、ハクサたちを待つべきかもしれない。しかし、ミカサは剣を鞘から抜いて城の中へと走って行った。

「チハヤ!!チハヤはどこだ!?」

大声でチハヤを呼びながらミカサが大広間へと入ると、ミカサより数メートルも大きいであろう鬼がミカサを見つめた。

「何だ?エサが飛び込んできたぞ」

ニタニタと笑いながら鬼たちが近づいてくる。ミカサは剣を構え、言った。

「私の名は、天城ミカサ!貴様らのような悪を罰する者だ!!」

「面白い!!捻り潰してやる!!」

鬼たちは武器を手にミカサに飛びかかってきた。ミカサは「チハヤ、私に生かし方を教えて」と呟き、鬼たちに向かって剣を振り下ろした。

急所を避け、手足にミカサは剣を振り下ろす。鬼に比べると小さくスピードのあるミカサの攻撃に、鬼たちは立ち上がれなくなった。
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