誰かの武器としての生き方
「行け」

そう大きな鬼が言うと、次々と鬼たちが飛びかかってくる。ミカサは鬼たちの攻撃をひらりと避けていき、鬼を蹴り飛ばしたり殴ったりした。倒れた鬼を持ち上げ、飛びかかろうとする鬼に投げ飛ばす。そんな攻撃が続いた。

「ミカサ……」

鎖でつながれているチハヤは、ミカサが命を奪わないことに驚いているようだ。それは、他の捕らわれている隊員も同じだ。ミカサは妖怪の命を奪う隊員として有名だからだ。

「さあ、あとはお前だけだ！！」

ミカサは肩で大きく息をしながら、戦いを静かに見ていた大きな鬼に言う。しかし、大きな鬼は顔色を変えることはない。

鬼の姿が一瞬にしてミカサの目の前から消える。ミカサが驚いた刹那、背後から衝撃が加わり、ミカサの体が吹き飛んだ。鬼が一瞬でミカサの背後に回り、攻撃をしたのだ。

ミカサはすぐに立ち上がり、銃や弓を放つ。しかし鬼はそれを素早く避け、ミカサに殴りかかった。

「グウッ！！」

強烈な蹴りや拳がミカサに当たり、ミカサはだんだんと立てなくなっていった。そして、理解する。ミカサが今までやってきたことは、このことなのだと。
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