誰かの武器としての生き方
ついに動くことができなくなったミカサを見て、鬼が舌舐めずりする。

「うまそうだ……」

そう言い、大きな口を開けた刹那、パンッという音が響いた。

「鬼一口!!不法侵入、誘拐、監禁、殺人未遂、暴行で拘束する!!」

銃を発砲したハクサが言うと、武装したミズホやヒリュウ、ヤマトにムサシたちが一斉に部屋に入ってきた。

ヤマトとムサシは倒れている鬼たちを拘束し、運んでいく。ヒリュウとミズホは拘束されている隊員たちを救出した。

ハクサは銃を鬼に向ける。鬼は観念したように両手を上げ、その手に手錠がかけられた。

「ミカサ、大丈夫か?」

倒れているミカサにハクサが声をかける。ミカサは「すみません」と謝った。

「勝手なことをして、本当に申し訳ありません。罰は必ず受けます」

「そんなことはどうでもいい。今は、自分の傷のことを考えるんだ」

ハクサは「医師を呼んでくる」と優しい目で言い、部屋を出て行った。ハクサが来てくれたことにミカサはホッとする。

「ミカサ!!」
< 30 / 32 >

この作品をシェア

pagetop