誰かの武器としての生き方
「飛鳥(あすか)隊長、敵はこれで全てです。全て駆除いたしました」

ミカサが絶命した山姥を指差すと、ミカサの上司である飛鳥ハクサは顔をしかめた。

「俺は生け捕りにしろと命じたんだが……」

「山に入った人間を食べるような妖怪に存在する価値はないかと。人を殺すのならば、私は情けはかけるつもりはありません」

淡々と答えるミカサに、ハクサは悲しげな目を向ける。その後すぐにミカサの先輩の石見(いわみ)ヒリュウと加賀(かが)ミズホが現れ、山姥の遺体を運んでいった。



特殊警察には、本当の警察のように様々な部署がある。

窃盗事件を扱う部署、詐欺事件を扱う部署、行方不明者を捜索する部署、突撃の際に作戦を立てる部署など、大きなビルの中に数え切れないほどの部署があるのだ。

ミカサが所属するのは、凶悪犯罪を取り締まる部署だ。特殊警察の花形部署とも言える。ミカサは十六歳で特殊警察の花形部署に入り、数々の凶悪犯たちと戦ってきた。その実力は、隊のトップに立てるほどだ。
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