誰かの武器としての生き方

「いただきます」

二人で声を揃え、食べ始める。二人でいつも食事は用意することにしている。おかげで二人の料理の腕はなかなかのものだ。

「ミカサの作るお味噌はやっぱりおいしい！」

ニコニコしながら食べるチハヤに、黙々と食べていたミカサは微笑む。チハヤにしか見せない表情だ。

「チハヤの方が料理上手だと思う。私は、いつも卵焼きを失敗するから」

「フフッ。そんなことないよ〜。……あっ、今日の私の仕事は街のパトロールだから、もしかしたら会えるかもね」

チハヤは、敵のアジトへ突撃する時の作戦を立てる部署に所属している。作戦を立てない時は、その部署の隊員は街のパトロールをするのだ。

「会えたら嬉しい。……私がそばで守れるから」

本当は、ミカサはチハヤと同じ部署へ行きたかった。チハヤがいるのなら、どんな部署でもよかったのだ。しかし、試験監督だったハクサと特殊警察の総隊長、神風（かみかぜ）カスガ隊長がミカサを凶悪事件の部署に任命したのだ。上の命令には逆らえない。