誰かの武器としての生き方
食事をするミカサを、チハヤは憂いを含んだ目で見つめる。その視線に気づきミカサが顔を上げると、チハヤは何でもないと言うように味噌汁を口にする。

穏やかな朝食の時間が、ゆっくりと過ぎていった。



「ミカサ、今日の君の仕事内容だ」

仕事場へ着き、ミカサがレトロな雰囲気の袴から黒い制服に着替えると、ハクサから仕事内容が書かれた紙を渡される。

「了解しました。すぐに向かいます」

ミカサは午前中は新入り隊員の訓練の指導、そして午後からはパトロールという風になっている。しかし、世界中の特殊警察と連携しているこの部署では、突然協力要請などが入ることも珍しくはない。

「武器は体にきちんと仕込んでおきます」

ミカサが無表情にそう言うと、ハクサは「……ああ、そうだな」とチハヤが時おりミカサに向けるような表情を見せた。なぜそのような顔をするのか、ミカサにはわからない。

制服の内ポケットに拳銃とナイフを隠し、髪にも針を仕込んでおく。靴底にも小型のスタンガンを隠した。

そして、訓練所へと向かう。
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