四ツ葉ノ言葉【微BL】【短編】
胸ぐらを掴み殴りかかろうとした時、辰弥の言葉を思い出した。

『統一戦争の前に他のクラスと揉め事を起こすと、先に手を出した方は出場禁止になるから絶対に喧嘩を売られても我慢しろ!』
 

「………ちっ」
舌打ちをすると胸ぐらを乱暴に離すと、食券を食堂のおばちゃんに持っていく。

おばちゃんは、元気よく返事をすると食券を受け取ると、少し待っててねぇーっと笑顔でいう。
大人しく待っていると、隣から怒鳴り声がし、顔を上げて見ると、1人の生徒が食堂のおばちゃんに突っかかっている。
「だーかーらーさ!ババア、話理解しろよ!」
「何度言われても、お金払わない子にはあげれないんだよ!」

おばちゃんも怯まずに言い返す。
「んだと?ババア!俺は明日金持ってくるって言ってんだろ!」

「去年から後払いは禁止になったって何回言えばいいんだ!」
痺れを切らした生徒が食堂のおばちゃんに向かって手をあげる。
流石にまずいと、2人の間に入ろうとした時。

「おっと、君。困るなぁ。女性に手を出すなんて。お仕置きが必要かな?」
と、紫雨が男子生徒と食堂のおばちゃんの間に入った。

「あ、紫雨さん、、」
男子生徒は、顔を真っ青にしてその場から急いで消える。
「紫雨。」
ぽっりと呟いた琥汰はギロッの睨み上げる。
紫雨は、琥汰に気づくと、ヒラヒラ、笑顔で、手を振る。
琥汰は、苛ついたが無視しておばちゃんから料理を受取空いている席へ座る。

昼食を食べ終えた琥汰は教室に戻っていた。
「今日、抽選発表があるらしいぞ。」
来栖がよっ!と手を上げて近くに来た。
「抽選?」
「そそ。抽選。」
来栖は、パンの袋を破りながら説明する。
「風高の統一戦争は、抽選でどのクラスで戦うかを決めるんだよ。」
「なんだ?つまり、トーナメント戦か?」
「そそ!そんな感じ!」
来栖の話によれば、今日の午後14時すぎに体育館に集合して発表をするらしい。
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