マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
三か月間一緒に暮らすにあたって、私達はいくつかの取り決めをした。
この同居の目的は“模擬結婚生活”なので、お互いが夫婦であるという仮定の基に生活しなければ意味がない。その上で決まった取り決めは次の通りだ。
一、家事は分担制。洗濯は青水担当。掃除は高柳。週末の掃除は二人で
一、夕食は交代制。ただし、残業等で遅くなる時は連絡をして交代可
一、青水は寝室、高柳は書斎、をプライベートルームとし、お互い無断入室禁止
一、朝食は一緒に
一、夕食のキャンセルは必ずお互いに連絡する
一、他人を連れて来ない
一、寝室は別々
以上のことが書かれた紙が、冷蔵庫に貼られている。
高柳さんとの暮らしは思ったよりも悪くなかった。
(家に帰っても上司がいるのってどうなのだろう)
(男の人と一緒に暮らすなんて、何か間違いでも起きたらどうするの)
そんな私の心配をよそに、彼は妙齢の女性が一緒に暮らしていると思えない程淡々と自分の生活を続けている。