マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
二人掛けのソファーは大きめで、並んで座っても密着するということはないけれど、こうして二人でソファーに座ることはまれなので、私の心臓はにわかに忙しくなる。

「どこもかしこもピカピカだな」

高柳さんはコーヒーを一口飲んでからそう言った。

内心では、(そうでしょう!)と言いたいのをぐっと堪えて、「ありがとうございます」と返す。

「青水は掃除や片付けが上手いな」

「そうですか?誰にでも出来ることしかしていませんけど……」

家事のエキスパートのような特別な技を使って掃除や片付けをしたわけではない。
そもそも元から綺麗な家なので、大した労力は必要なかった。

「いや、俺はあまり片付けが得意な方ではないんだ。忙しくなってくるとどうしても、な。料理は苦にならないんだが……」

「私とは逆ですね」

「……そうだな」

妙に納得した顔で頷いた横顔に、この二週間の私生活を思い返した。

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