マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
告白決行日。その日はとても寒い日だった。
『今季一番の寒波が到来します。関東都心でも積雪が見られるところがあるでしょう。』
天気予報のアナウンサーがしきりにそう言っていた気がする。
私が告白を決行することに決めたのは、二月十四日。バレンタインデーだ。
そしてそれは私の二十歳の誕生日でもあった。
『俺に相談って?ESSのこと?』
こんな寒い日にひと気のない屋外に呼び出したにもかかわらず、嫌な顔一つせずに彼は優しい顔で私に訊ねた。
本来なら後輩の私が先輩の彼を呼びつけたのだから、謝罪とお礼を先に口にしないといけない。けれど、その時の私にはそんな余裕は欠片もない。
バクバクと飛び出そうなほど暴れる心臓。
それを抑えたくて、持っていた包みを胸の前でギュッと抱いた。
『……みさん?』
激しい緊張で一瞬意識がどこかに飛んでいたが、彼の呼びかけにハッとなる。
『どうかし、』
『ずっ、ずっと好きでしたっ!私の処女、貰ってください!!』
手に持っていた包みを彼に突き出し、頭を下げた。
『今季一番の寒波が到来します。関東都心でも積雪が見られるところがあるでしょう。』
天気予報のアナウンサーがしきりにそう言っていた気がする。
私が告白を決行することに決めたのは、二月十四日。バレンタインデーだ。
そしてそれは私の二十歳の誕生日でもあった。
『俺に相談って?ESSのこと?』
こんな寒い日にひと気のない屋外に呼び出したにもかかわらず、嫌な顔一つせずに彼は優しい顔で私に訊ねた。
本来なら後輩の私が先輩の彼を呼びつけたのだから、謝罪とお礼を先に口にしないといけない。けれど、その時の私にはそんな余裕は欠片もない。
バクバクと飛び出そうなほど暴れる心臓。
それを抑えたくて、持っていた包みを胸の前でギュッと抱いた。
『……みさん?』
激しい緊張で一瞬意識がどこかに飛んでいたが、彼の呼びかけにハッとなる。
『どうかし、』
『ずっ、ずっと好きでしたっ!私の処女、貰ってください!!』
手に持っていた包みを彼に突き出し、頭を下げた。