マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~

「明日は一緒に買い物にでも行くか?」

「え?」

両手をコーヒーの入ったマグカップで温めながらぼんやりとしていた私は、高柳さんの言葉がすぐに頭に入ってこなかった。

「車で少し行った所に大型シッピングモールが出来ただろう?」

「はい」

「もし青水の予定が何も無ければ、明日そこに行ってみないか?」

「えっ!」

「予定があるなら別に構わない。急だしな」

「い、行きます」

慌てて返事をする。
休みの日にお出かけを誘われたのは初めて。食事以外はお互い別々のことをして過ごすのがこのひと月あまりの休日の過ごし方だった。

「そうか。じゃあ明日、頼むな」

「はい」

返事と同時に、思わず笑みがこぼれた。



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