マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
《三》
三
翌、日曜日の朝。
やって来たのは車で三十分ほどの所に新しく出来た大型ショピングモールだ。
「すごい大きい……」
店内に入った途端、目の前には大きなクリスマスツリーが。
ついこの前ハロウィンが終わったばかりだというのに、十二月にもならないうちからクリスマスという変わり身の早さにも驚きだ。
四階まで吹き抜けになった広場の中央に飾られた、立派なツリーに圧倒されている私を、後ろから来た高柳さんが「ぼうっとしてたら迷子になるぞ」と言いながら抜いて行く。
「この歳で迷子にはなりません」
小走りで彼の隣に並び見上げると、高柳さんは「どうだろうな」と言う。
迷子の注意を受けたことなんて子どもの時以来だ。それも小学低学年だったような。
「私、これでもしっかり者だとよく言われるんですが」
むくれながらそう口にする私をチラリと見下ろした高柳さんは、ふっと短く笑った。
翌、日曜日の朝。
やって来たのは車で三十分ほどの所に新しく出来た大型ショピングモールだ。
「すごい大きい……」
店内に入った途端、目の前には大きなクリスマスツリーが。
ついこの前ハロウィンが終わったばかりだというのに、十二月にもならないうちからクリスマスという変わり身の早さにも驚きだ。
四階まで吹き抜けになった広場の中央に飾られた、立派なツリーに圧倒されている私を、後ろから来た高柳さんが「ぼうっとしてたら迷子になるぞ」と言いながら抜いて行く。
「この歳で迷子にはなりません」
小走りで彼の隣に並び見上げると、高柳さんは「どうだろうな」と言う。
迷子の注意を受けたことなんて子どもの時以来だ。それも小学低学年だったような。
「私、これでもしっかり者だとよく言われるんですが」
むくれながらそう口にする私をチラリと見下ろした高柳さんは、ふっと短く笑った。