マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
《三》
三
目が覚めるとカーテンの隙間から光が差し込んでいて、朝が来たことに気付く。
隣には高柳さんの姿はない。
昨日外出した服のまま眠ってしまったから、部屋着に着替え眼鏡を掛けようとサイドテーブルを見たがない。
(洗面台に置いたままだったわ……)
コンタクトを入れるときに外してそのままにしてしまっていたことに気が付いて、仕方なく予備の眼鏡を掛ける。
高校と大学の間使っていたこの黒縁眼鏡は、今ではほとんど出番はない。コンタクトかファッション性のあるウェリントン眼鏡を掛けるからだ。
昨日泣いたせいで多少目が腫れぼったいが、コンタクトが入らない程ではない。急いで洗面台まで直行すれば、この黒縁眼鏡姿を高柳さんに見られることはないだろう、と私は部屋を出ることにした。
ドアを開けると寝室に面しているLDKに出るが、そこに高柳さんの姿はない。
(自分の部屋に帰ったのかしら……)
そう考えつつも、「今のうちだ」とパウダールームに向かって足早にリビングを抜けようとした。
けれど――
目が覚めるとカーテンの隙間から光が差し込んでいて、朝が来たことに気付く。
隣には高柳さんの姿はない。
昨日外出した服のまま眠ってしまったから、部屋着に着替え眼鏡を掛けようとサイドテーブルを見たがない。
(洗面台に置いたままだったわ……)
コンタクトを入れるときに外してそのままにしてしまっていたことに気が付いて、仕方なく予備の眼鏡を掛ける。
高校と大学の間使っていたこの黒縁眼鏡は、今ではほとんど出番はない。コンタクトかファッション性のあるウェリントン眼鏡を掛けるからだ。
昨日泣いたせいで多少目が腫れぼったいが、コンタクトが入らない程ではない。急いで洗面台まで直行すれば、この黒縁眼鏡姿を高柳さんに見られることはないだろう、と私は部屋を出ることにした。
ドアを開けると寝室に面しているLDKに出るが、そこに高柳さんの姿はない。
(自分の部屋に帰ったのかしら……)
そう考えつつも、「今のうちだ」とパウダールームに向かって足早にリビングを抜けようとした。
けれど――