マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
第十章 決起会
《一》
一
正月明けの初出社。
休暇明け早々ではあるが、今週はこの金曜日に行われる【TohmaBeer-Hopping 決起会】の準備の詰め作業で忙しくなる。
始業までまだ一時間もあるこの時間、長期休業明けのことも手伝って、オフィスはまだ静けさを保っている。
始業より一時間も前に出社する理由を『正月ボケの頭を叩き起こす為』と高柳さんには言って出てきたが、それよりも大事な用事が私にはあった。
「あけましておめでとうございます、雪華さん」
「幾見君……あけましておめでとう」
そう。幾見君と待ち合わせをしていたのだ。
自動販売機のある休憩スペースには誰もおらず、私達は奥の窓際に立って外を眺めながら買った缶コーヒーを開けた。
「この前はごめんなさい。みっともないところを見せたわ」
「みっともないなんて思っていません」
「そう……ありがとう」
二人の間に沈黙が降りる。
なんて切り出したら良いのだろう。
あれから数日間、私は悩んでいた。
正月明けの初出社。
休暇明け早々ではあるが、今週はこの金曜日に行われる【TohmaBeer-Hopping 決起会】の準備の詰め作業で忙しくなる。
始業までまだ一時間もあるこの時間、長期休業明けのことも手伝って、オフィスはまだ静けさを保っている。
始業より一時間も前に出社する理由を『正月ボケの頭を叩き起こす為』と高柳さんには言って出てきたが、それよりも大事な用事が私にはあった。
「あけましておめでとうございます、雪華さん」
「幾見君……あけましておめでとう」
そう。幾見君と待ち合わせをしていたのだ。
自動販売機のある休憩スペースには誰もおらず、私達は奥の窓際に立って外を眺めながら買った缶コーヒーを開けた。
「この前はごめんなさい。みっともないところを見せたわ」
「みっともないなんて思っていません」
「そう……ありがとう」
二人の間に沈黙が降りる。
なんて切り出したら良いのだろう。
あれから数日間、私は悩んでいた。