マリッジライフ・シミュレイション～鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい～

「くそっ、」

吐き出すような言葉の後、「もう少し早く行っていれば…」と悔しそうに呟くのが聞こえた。途端、じわっと涙が滲む。

「怖かったら我慢せずに背中を叩いて」

そう言うと彼は、ゆっくりと私の胸の膨らみをその手で包み込んだ。

ビクッと体が跳ねる。

一瞬私の様子を窺うように止まったその手は、ゆっくりと私の胸を撫で始めた。
最初はそっと小さく。次第に大きく円を描くように撫で、私が拒否しないことを感じ取ると、大胆に動き始めた。

「んあっ、あぁっ…」

大きな手にやわやわと揉みしだかれ、我慢できずに声が漏れる。
甘い痺れが体中に駆け巡り、味わったことのない感覚に翻弄される。内に籠った熱で体が燃えるように熱い。

高柳さんは私の胸を堪能するかのようにじっくりと触りながら、下着だけになった上半身に口づけを落としていく。
私の肌の上で彼が立てるリップ音と自分の口からこぼれる甘い吐息と声を、薄れた思考回路の向こうから聞こえてくる。

目尻に溜まる涙を拭うことも出来ず、荒い息を吐きながら、私はただされるがまま高柳さんに身を委ねていた。