マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
(熱?……私、熱があるの??)
言われて初めて自分の体が燃えるように熱くて、節々が痛むことに気付く。視界がグラグラと揺れているのは、寝起きのせいだと思っていた。
キッチンから飲み物を持って戻ってきた高柳さんが、起き上がるのを手伝ってくれてやっとそれを飲むことが出来た。
喉を通っていく冷たい感覚が気持ち良くて、一気にペットボトルの中身を半分近く飲みきった。
飲み終わるとまた、高柳さんが私の体をベッドに横たえる。
「まだ夜明け前だ。もう少し眠ろう」
そう言ってスルリと私の隣に入って来る。
「あ、あの……」
「ん?」
「隣で……」
「ああ…嫌か?雪華」
「いやでは…………えっ!?」
今度こそ空耳だと思った。
だって、今まで高柳さんに『雪華』と呼ばれたことはない。
「言っておくが、掴んで離さなかったのは雪華の方だからな」
「っ!!」
衝撃的な事実と、空耳ではない二度目の呼び名のどちらに、驚いてよいのか分からない。
「とりあえずもう少し眠ろう。朝になったら病院に連れて行くから」
そう言うと、高柳さんは私の体を自分の方へ引き寄せた。
私は、飛び出しそうなほどに鳴っている心臓をどうすることも出来ずに、ただ高柳さんの腕の中で固まっていた。
言われて初めて自分の体が燃えるように熱くて、節々が痛むことに気付く。視界がグラグラと揺れているのは、寝起きのせいだと思っていた。
キッチンから飲み物を持って戻ってきた高柳さんが、起き上がるのを手伝ってくれてやっとそれを飲むことが出来た。
喉を通っていく冷たい感覚が気持ち良くて、一気にペットボトルの中身を半分近く飲みきった。
飲み終わるとまた、高柳さんが私の体をベッドに横たえる。
「まだ夜明け前だ。もう少し眠ろう」
そう言ってスルリと私の隣に入って来る。
「あ、あの……」
「ん?」
「隣で……」
「ああ…嫌か?雪華」
「いやでは…………えっ!?」
今度こそ空耳だと思った。
だって、今まで高柳さんに『雪華』と呼ばれたことはない。
「言っておくが、掴んで離さなかったのは雪華の方だからな」
「っ!!」
衝撃的な事実と、空耳ではない二度目の呼び名のどちらに、驚いてよいのか分からない。
「とりあえずもう少し眠ろう。朝になったら病院に連れて行くから」
そう言うと、高柳さんは私の体を自分の方へ引き寄せた。
私は、飛び出しそうなほどに鳴っている心臓をどうすることも出来ずに、ただ高柳さんの腕の中で固まっていた。