マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
「うわっ!た、た、高柳さん!?」
いきなり抱きしめられて驚いた私が腕の中でもがくと、ぎゅうっと更に力を籠められる。
「雪華……それは駄目だ」
そしていきなりのダメ出しに固まる。突然抱きしめられて『駄目だ』とか言われて、いったいどうしたら良いのか分からない。
「え、あの…ごめんなさい……なにか、」
気に障ることをしてしまったのかと訊ねようとしたけれど、それより早く低い声が頭の上から降ってきた。
「そんな可愛い顔してそんなことを言われたら、我慢出来なくなる」
「え?」
「俺も男だからな。好きな子の無防備な姿に惹かれないわけないだろう?」
『好きな子』というワードに、胸が大きく波打った。
あれから初めてだ。彼の口から“好き”という言葉を聞くのは。
抱きしめられ、自分の鼓動が早いのを感じながら、その逞しい胸に頬を寄せた状態なので彼の心音も聞こえてくる。それは私にも負けないくらい速く大きな音で――
「でも――」
そこでいったん区切られた言葉。
その続きをじっと待っていると、ふわりとつむじに湿った温もりを感じた。
「雪華の気持ちを聞いていない。今はまだ俺の一方通行だ」
いきなり抱きしめられて驚いた私が腕の中でもがくと、ぎゅうっと更に力を籠められる。
「雪華……それは駄目だ」
そしていきなりのダメ出しに固まる。突然抱きしめられて『駄目だ』とか言われて、いったいどうしたら良いのか分からない。
「え、あの…ごめんなさい……なにか、」
気に障ることをしてしまったのかと訊ねようとしたけれど、それより早く低い声が頭の上から降ってきた。
「そんな可愛い顔してそんなことを言われたら、我慢出来なくなる」
「え?」
「俺も男だからな。好きな子の無防備な姿に惹かれないわけないだろう?」
『好きな子』というワードに、胸が大きく波打った。
あれから初めてだ。彼の口から“好き”という言葉を聞くのは。
抱きしめられ、自分の鼓動が早いのを感じながら、その逞しい胸に頬を寄せた状態なので彼の心音も聞こえてくる。それは私にも負けないくらい速く大きな音で――
「でも――」
そこでいったん区切られた言葉。
その続きをじっと待っていると、ふわりとつむじに湿った温もりを感じた。
「雪華の気持ちを聞いていない。今はまだ俺の一方通行だ」