マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
ささやかれた声がひどくせつなげで胸を打つ。
ゆるく柔らかく私を抱く腕は『嫌ならいつでも離すから』と物語っている。
「私も……好きです…」
口から自然と言葉が零れ落ちた。
小さな呟きのような声は彼の耳まで届いたようで、彼の体がピクリと小さく動き、背中に回されていた腕がゆっくりと解かれてから顔を覗き込まれた。
「雪華…今、なんて……」
「……高柳さんのことが好きです。たぶん、ずっと……」
そう。初めて好きになったあの時からずっと、私の胸の奥にはあなたがいた。振られた後も、きっと、ずっと好きだった。
だからほかの誰とキスすら出来なかったんだと、今なら分かる。
「ありがとう、雪華」
そう言って彼はもう一度私を強く抱きしめた。
「嬉しいな……『好き』と言われることがこんなに嬉しいことだったなんてなぁ」
抱きしめたまましみじみとそう呟く彼に、私は「告白されること多いのに?」となんだか嫌味みたいなことを口にしてしまう。
すると頭の上からくすくすと笑う声。
「ヤキモチも嬉しいな。告白もどちらも雪華だから、だ。特別な人から貰えるものは、特別だろう?」
とろりとした声を耳元に注がれて、ぞくぞくとした甘い痺れが走った。お砂糖を煮詰めたみたいな甘い空気に溺れそうになって、気付いたら高柳さんの着ているシャツの胸のあたりをギュッと握りしめていた。
ゆるく柔らかく私を抱く腕は『嫌ならいつでも離すから』と物語っている。
「私も……好きです…」
口から自然と言葉が零れ落ちた。
小さな呟きのような声は彼の耳まで届いたようで、彼の体がピクリと小さく動き、背中に回されていた腕がゆっくりと解かれてから顔を覗き込まれた。
「雪華…今、なんて……」
「……高柳さんのことが好きです。たぶん、ずっと……」
そう。初めて好きになったあの時からずっと、私の胸の奥にはあなたがいた。振られた後も、きっと、ずっと好きだった。
だからほかの誰とキスすら出来なかったんだと、今なら分かる。
「ありがとう、雪華」
そう言って彼はもう一度私を強く抱きしめた。
「嬉しいな……『好き』と言われることがこんなに嬉しいことだったなんてなぁ」
抱きしめたまましみじみとそう呟く彼に、私は「告白されること多いのに?」となんだか嫌味みたいなことを口にしてしまう。
すると頭の上からくすくすと笑う声。
「ヤキモチも嬉しいな。告白もどちらも雪華だから、だ。特別な人から貰えるものは、特別だろう?」
とろりとした声を耳元に注がれて、ぞくぞくとした甘い痺れが走った。お砂糖を煮詰めたみたいな甘い空気に溺れそうになって、気付いたら高柳さんの着ているシャツの胸のあたりをギュッと握りしめていた。