マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
羞恥と動揺で涙まで浮かんでくる。慣れないキスにいっぱいいっぱいの私は、そんな彼の余裕が悔しくて、じっとりと睨み上げた。
「雪華、だからそれは駄目だ……」
困ったように彼が呟く。
いくらダメだと言われてもやめないつもりでじっと睨む。
すると、まるで私の顔を隠すように、彼は私を腕の中に閉じ込めた。
いきなり視界を大きな体で覆われて驚いていると、耳の後ろから少しだけ掠れた低い声が聞こえた。
「そんな顔されたらもっと欲しくなる」
そう言ってついた吐息がうなじをくすぐり、勝手に体が跳ねる。
「今日は雪華の“はじめて”を一つ貰ったからな。続きはまた今度、だな」
その言葉に、私は声もなく絶叫した。
(“はじめて”って、キスのことじゃなかったの!?)
今更ながらそんなことに気付いてしまい、背中に冷や汗が滲む。
そんな私の焦りを知ってか知らずか、高柳さんは坦々とまるで自分に言い聞かせるように言葉を続ける。
「病み上がりの雪華に、これ以上負担をかけるようなことは出来ないからな」
はっきりとした口調でそう言ったと思ったら、高柳さんは私の耳元で囁くように言った。
「完全に元気になったら遠慮はしない。覚悟しておいて、雪華」
情欲を滲ませた声色がぞくっとするほど色っぽい。
彼の腕の中で私が真っ赤な顔を隠して固まっていることしか出来ずにいると、ぎゅっと腕に力を込められた。
「雪華、だからそれは駄目だ……」
困ったように彼が呟く。
いくらダメだと言われてもやめないつもりでじっと睨む。
すると、まるで私の顔を隠すように、彼は私を腕の中に閉じ込めた。
いきなり視界を大きな体で覆われて驚いていると、耳の後ろから少しだけ掠れた低い声が聞こえた。
「そんな顔されたらもっと欲しくなる」
そう言ってついた吐息がうなじをくすぐり、勝手に体が跳ねる。
「今日は雪華の“はじめて”を一つ貰ったからな。続きはまた今度、だな」
その言葉に、私は声もなく絶叫した。
(“はじめて”って、キスのことじゃなかったの!?)
今更ながらそんなことに気付いてしまい、背中に冷や汗が滲む。
そんな私の焦りを知ってか知らずか、高柳さんは坦々とまるで自分に言い聞かせるように言葉を続ける。
「病み上がりの雪華に、これ以上負担をかけるようなことは出来ないからな」
はっきりとした口調でそう言ったと思ったら、高柳さんは私の耳元で囁くように言った。
「完全に元気になったら遠慮はしない。覚悟しておいて、雪華」
情欲を滲ませた声色がぞくっとするほど色っぽい。
彼の腕の中で私が真っ赤な顔を隠して固まっていることしか出来ずにいると、ぎゅっと腕に力を込められた。