マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
同居を解消した後、週末はもちろん一緒に過ごしたし、平日も早く終わった日は一緒にご飯を食べたりした。
その時に甘い雰囲気にならなかったわけではないのだけど、ちょうど“女の子の日”だった為回避。あとは彼の出張や私の用事などで、あまりゆっくりした時間を送れなかったせいもある。

「よく我慢してるね」

「……彼は大人だもの」

「高柳さんもだけど、ゆっかちゃんのことだよ?」

「ふへっ?私!?」

「うん」

「わ、私は別に何とも……」

「そう?私なら、長年思い続けた初恋のヒトと両想いになったら、ずっとくっついていたくなっちゃうよ。自分から押し倒しちゃうかも」

「おしっ、…や、ムリムリムリムリ!」

可愛らしい外見を裏切るような情熱的な発言に、こっちが慌てふためいていると、まどかは急に何か思いついたように手をポンと打った。

「そうだ!二度目のバレンタイン大作戦よ、ゆっかちゃん!」

「え?」

「今度こそゆっかちゃんの “処女”、高柳さんに貰ってもらいましょ!」

「なっ、!」

言葉を失った私の腕の中で、二か月のなごみちゃんは一向に起きる気配なく眠っていた。




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