マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
「あっ、ん」
短い驚きの声は彼の咥内に吸い込まれていく。
「んんんっ~」
なんの前触れも予告もない、いきなり始まった激しい口づけに頭が真っ白になる。
開いた口から差し込まれた舌が、咥内を激しく掻きまわす。そして奥にいた私の舌を捕まえると、逃がさないとばかりに絡みつき執拗に吸い付かれた。
今まで彼と何度か交わした口づけはこんなに荒々しいものではなく、優しく静かなものだった。深い口づけも一度だけされたけれど、その時はゆっくりと様子を伺いながらという感じで、彼は唇を離した後、私が真っ赤になったのを見て「林檎みたいだな」と言って笑っていた。
こんな獰猛なキスは知らない。
「んぁっ、んんっ~、」
貪るような口づけに息が苦しくなる。
口の中がチョコレートとウィスキーの味でいっぱいになった頃、やっと唇が離された。
急に入ってきた空気に、こほっと咽る。はぁはぁと二度ほど息をついたところで、ふわりと体が宙に浮いた。
「きゃあっ」
突然起こった浮遊感に思わず目の前のものにしがみ付く。それは高柳さんの頭で、私は彼の両腕に抱えあげられていた。
そのまま彼は、部屋の中央にあるキングサイズのベッドへと向かっていく。ものの数秒でそこまで辿り着くと、少し荒っぽく私をそこへ置いた。
ふわん、とベッドがしなる。
その硬すぎず柔らかすぎない感触に、「質の良い睡眠が出来そうだ」などと、一瞬呑気な考えが頭に過った。
けれど「あ」と声を出す間もなく、高柳さんの体が私に覆い被さってきた。
両肘を私の顔の横につき、私を自分の体で閉じ込めた高柳さんは、ただじっと私を見下ろしている。明らかな情欲の火が灯ったその瞳に見つめられるだけで、私は息をすることすら忘れそうになる。心臓は壊れそうなほど暴れている。
「……煽ったのは雪華だ」
高柳さんはそれだけ口にすると、再び私の口を塞いだ。
短い驚きの声は彼の咥内に吸い込まれていく。
「んんんっ~」
なんの前触れも予告もない、いきなり始まった激しい口づけに頭が真っ白になる。
開いた口から差し込まれた舌が、咥内を激しく掻きまわす。そして奥にいた私の舌を捕まえると、逃がさないとばかりに絡みつき執拗に吸い付かれた。
今まで彼と何度か交わした口づけはこんなに荒々しいものではなく、優しく静かなものだった。深い口づけも一度だけされたけれど、その時はゆっくりと様子を伺いながらという感じで、彼は唇を離した後、私が真っ赤になったのを見て「林檎みたいだな」と言って笑っていた。
こんな獰猛なキスは知らない。
「んぁっ、んんっ~、」
貪るような口づけに息が苦しくなる。
口の中がチョコレートとウィスキーの味でいっぱいになった頃、やっと唇が離された。
急に入ってきた空気に、こほっと咽る。はぁはぁと二度ほど息をついたところで、ふわりと体が宙に浮いた。
「きゃあっ」
突然起こった浮遊感に思わず目の前のものにしがみ付く。それは高柳さんの頭で、私は彼の両腕に抱えあげられていた。
そのまま彼は、部屋の中央にあるキングサイズのベッドへと向かっていく。ものの数秒でそこまで辿り着くと、少し荒っぽく私をそこへ置いた。
ふわん、とベッドがしなる。
その硬すぎず柔らかすぎない感触に、「質の良い睡眠が出来そうだ」などと、一瞬呑気な考えが頭に過った。
けれど「あ」と声を出す間もなく、高柳さんの体が私に覆い被さってきた。
両肘を私の顔の横につき、私を自分の体で閉じ込めた高柳さんは、ただじっと私を見下ろしている。明らかな情欲の火が灯ったその瞳に見つめられるだけで、私は息をすることすら忘れそうになる。心臓は壊れそうなほど暴れている。
「……煽ったのは雪華だ」
高柳さんはそれだけ口にすると、再び私の口を塞いだ。