国王陛下に溺愛されて!?~メイド騎士の攻防戦~10/11に大幅修正完結済み。

私は、確かに陛下に憧れた。
そばに居られればいいと思ったし守りたいと思った。
だから国王陛下に抱かれることは、
私にとったら夢のような話だ。でも……。

「私がどんなに想ってもルチア様にとったら
ただのお戯れに過ぎないのよ。
飽きたら捨てられるし、結婚が出来る訳でもないわ」

そう……ただの気まぐれに抱くだけの
オモチャみたいな存在だ。それに私と国王陛下では、
住む世界も身分も違う。私は、身分もないし
孤児で何も持っていない。周りは、反対するだろうし
もし綺麗なお姫様が現れたら勝てるなんて思わない。

「アイリス……」

胸がギュッと締め付けられそうになるぐらい
悲しくなってきた。
そんなこと分かっているから私は、割り切って
護衛として生きようと思ったのに……あの調子だし

「でもさ……大切にされていると思うわよ?
ルチア様に。皆が羨ましいぐらいにさ」

そうだと思いたい。すると向こうの方から
陛下の執事であるジョン・オルセルが
私達のところにきた。慌てながら
どうしたのだろうか?

「アイリス。ルチア様を見ませんでしたか?」

「いえ。見えていませんが」

国王陛下は、自分の部屋で公務をしているはずだが
もしかしてまた、居なくなったの!?
私は、嫌な予感がした。大体そういう時は当たる。

「部屋に行ったらルチア様がいらっしゃらなくて。
あなたも何をやっているんですか。
ボディーガードのくせにルチア様から目を離すなんて
しっかり見張っておいて下さい」

「す、すみません」

「とにかく何処かで徘徊している可能性があります。
手分けして捜して下さい」

「はい。」

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