国王陛下に溺愛されて!?~メイド騎士の攻防戦~10/11に大幅修正完結済み。
実は、陛下の悪い癖があった。
セクハラの他に、この自由奔放な性格だ。
とにかく自由を愛し度々お城を抜け出しては、
何処かに行ってしまう。
そのため城のメイドやお使いする者は、
捜し回らないとならない。
大変……迷惑なお方だ!
私も慌てて国王陛下を捜した。執事に怒られるし
これでは、ボディーガードの意味がない。
私は、騎士として国王陛下のお役に立ちたいのに
何の役にも立っていないじゃないのよ!!
せめて危ない目に遭う前に
見つけないと騎士の名が廃るわ。
私は、推測からまた街に出掛けたと思い
馬を借りて街に向かった。
山道を馬で走っていると1頭の木に縛られた
白い馬を見つけた。間違いない!!
あれは、国王陛下の馬だわ!?
慌てて馬から降りると白い馬に近付いてみた。
白くて毛並みのいいからやはり間違いないが
馬は、無事で怪我をしている訳でもないのに
国王陛下の姿は無かった。
「ねぇルチア様は、何処に行ったの?」
馬に聞いても仕方がないのだが
私は、そう言って馬の背中を撫でた。すると
「あれ?アイリス。もう捜し当てたのか?」と
何処からか国王陛下の声が聞こえてきた。
えっ……?
確かに国王陛下の声が聞こえたような?
私は、キョロキョロと周りを見渡すが誰もいない。
すると上の方から
「アイリス。上、木の上を見てみろ」
「上……ですか?」
私は、陛下の言う通りに
木の上を見上げてみた。すると
国王陛下は、木の上で座っているではないか。
ちょっと、何処に居るのよ!?
「きゃあっ!?ルチア様!!
あなた、何をやっているのですか!?」
「見て分からないか?木登りだ」
「そんなのは、見たら分かります。
そうではなくて危ないから今すぐにおりて下さい!」
私は、慌てて注意をした。
一国の王が何のんきに木登りをしているのよ!?
もし誤って落ちたらどうする気だろうか。