国王陛下に溺愛されて!?~メイド騎士の攻防戦~10/11に大幅修正完結済み。
「エイリオ……」
だがすぐ、ハッとした。
もしかしたら影近かも知れないと。
人に変装をするのが得意な忍びなら
エイリオだって変わることが出来るからだ。
私は、すぐさま短剣を出して構えるとエイリオは、
両手を挙げた。
「アホ。俺は、本物だ」
「そ、そんなの分からないじゃない」
散々変装をして騙そうとした。
さっきだって、国陛下に変装して……。
警戒をする私にエイリオは、
ハァッ……とため息を吐いてきた。すると
「あれは、5歳の頃……お前がおねしょして
シスター・セリに叱られた。
6歳の頃……木登りの得意なお前は、木の上に
よじ登って眠ってしまい院長先生達が
探し回っていた。それから」
「いや。もういいです。
エイリオだって分かったから……」
あんな恥ずかしい過去を知っている上に
恥じらいもなく人に語るのは、エイリオしかいない。
てっか、思い出させないで……。
「何だもっとあったのに。
それよりもどうなっているんだよ!?
あの黒い服装の奴らとお前は、
一体どういう関係なんだよ?伊賀の姫って……」
「私もよく分からない。
急に聞かされて……どうしたらいいのか
自分でも分からない」
あぁ、また涙が溢れてくる。
色々考えても自分の心がついていけない。
自分でもどうしたらいいのか分からなかった。
するとエイリオは、私を抱き締めてきた。
まさか抱き締められるなんて
思わなかったからドキッと心臓が高鳴った。
「え、エイリオ!?」
「話は、よく、分からないけど
泣いているお前を放っておけるかよ。
不安で行き場所がないなら孤児院に戻れよ!
あそこには、お前の場所があるから」
孤児院……。
私が、ずっと育ってきた家。