国王陛下に溺愛されて!?~メイド騎士の攻防戦~10/11に大幅修正完結済み。

「この子が、木の上でおりられなくなっちゃったから
助けていたんだ!」

国王陛下は、そう言いながら飛び降りてきた。
この子……?
陛下の持っている物を見せてもらうと
小さな子猫が抱かれていた。
可愛らしい白い猫だったがあちらこちらに
怪我をしていた。

「可愛い~でも怪我をしているわ」

「可哀想だろう?
こんなに震えて怯えている」

国王陛下は、そう言うと子猫を私に渡してきた。
震えているし、よほど怖い思いをしたのだろう。
子猫は、小さな鳴き声をあげた。

「捨て猫かしら?それともそれとも迷い猫?」

どちらにしても可哀想だ。
もし飼い主が居るのなら早く見つけてあげたい。
きっと心配をしているだろうから。

「どうだろうな。怪我からして、もしかしたら
大きな鳥が捕まって連れて来られたのかもしれない。
新しい里親が見つかるまでお城に連れて行こう。
こんな山の中だと獣に命を狙われるからな」

「そうですね」

こんな山奥に夜まで居たら
間違いなく獣の餌食になるだろう。
早く連れて帰って怪我の手当をしてあげたい。

「じゃあ、アイリス。
その子猫のこと……よろしくな」

国王陛下は、そう言うと立ち去ろうとした。
おいおい……。
何で私に押し付けて陛下は、何処かに
行こうとするのよ!?

「ちょっとルチア様!?どさくさに紛れて
何処かに行こうとしないで下さいよ!!」

私は、慌てて国王陛下を止めた。
危なく逃がすところだった……。

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