異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
案内された先で、衛兵が両側に立っている立派な両扉を開けられ、メグミは盆を持ったまま中へ入った。思わず部屋の中をぐるりと見回してしまう。
ずずず……っと視線が遠くへ吸い込まれるほど奥が深く、走っても壁から壁へ到着するのに時間がかかりそうな幅のある広さだった。
さすがに王の部屋は違う。リビングなのか書斎なのか、はたまたただの客間なのか不明だが、壁にかかった絵は巨匠の作だろうし、大きな暖炉はどう見ても大理石という豪華さだった。凝った壁紙や天井の細工も見事だと思う。
部屋の中に設置されているソファセットなども、大層立派なものに見えた。
奥には楕円形の長いテーブルがあり、白いテーブルカバーが掛けられている。真ん中に花が活けられ、その周囲に数本の金の燭台が立っていた。大きな窓から日差しが入って明るいためか、燭台は灯されていない。
テーブルの周りには、木彫りの枠のある椅子が数脚設置されていた。
メグミはそこでようやく、この部屋は国王が食事をするところだと気付く。ジリンの屋敷で晩餐の間へ入ったことがあるが、ここは王城の晩餐の間というよりは、椅子の数からして国王の私的な食事をする場所のようだ。
ずずず……っと視線が遠くへ吸い込まれるほど奥が深く、走っても壁から壁へ到着するのに時間がかかりそうな幅のある広さだった。
さすがに王の部屋は違う。リビングなのか書斎なのか、はたまたただの客間なのか不明だが、壁にかかった絵は巨匠の作だろうし、大きな暖炉はどう見ても大理石という豪華さだった。凝った壁紙や天井の細工も見事だと思う。
部屋の中に設置されているソファセットなども、大層立派なものに見えた。
奥には楕円形の長いテーブルがあり、白いテーブルカバーが掛けられている。真ん中に花が活けられ、その周囲に数本の金の燭台が立っていた。大きな窓から日差しが入って明るいためか、燭台は灯されていない。
テーブルの周りには、木彫りの枠のある椅子が数脚設置されていた。
メグミはそこでようやく、この部屋は国王が食事をするところだと気付く。ジリンの屋敷で晩餐の間へ入ったことがあるが、ここは王城の晩餐の間というよりは、椅子の数からして国王の私的な食事をする場所のようだ。