異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
話が大きくて、メグミは困惑した。
「私は和菓子を作ることしかできません」
「それでいい。進めてゆくのは俺だ」
コンラートは笑う。力を持つ男の笑みに包まれるのは心地よかった。こちらまでその力を分けてもらえそうだ。
「私が試験に落ちていたらどうしたんです」
「テツシバへ通うだけだ。勝ち上がってくれた方が、他の者もうまいと感じるというのがはっきりするから、俺はここへメグミが来たのは嬉しかったぞ。豆大福という名だそうだな。うまかった」
掛け値なしの賞賛がくすぐったい。メグミは照れて頬を熱くすると目線をテーブルの上に向ける。
彼は王の顔でメグミに命ずる。
「三日に一度はメグミに和菓子を作ってもらう。ベルガモットの作る菓子もかなりうまいが、それだけでは飽きるし、物足りなくなってしまうんだ」
「はい」
「俺が王都へ出るのは、新しい産業の種を見つけたいのと、もう一つ。変わった菓子を探すためだ。これは趣味の一つだな」
ぷぷっと吹いたメグミは、堪らなくなって身体を伏せて大笑いしてしまった。コンラートは間違いなく“スイーツ男子”だ。
「私は和菓子を作ることしかできません」
「それでいい。進めてゆくのは俺だ」
コンラートは笑う。力を持つ男の笑みに包まれるのは心地よかった。こちらまでその力を分けてもらえそうだ。
「私が試験に落ちていたらどうしたんです」
「テツシバへ通うだけだ。勝ち上がってくれた方が、他の者もうまいと感じるというのがはっきりするから、俺はここへメグミが来たのは嬉しかったぞ。豆大福という名だそうだな。うまかった」
掛け値なしの賞賛がくすぐったい。メグミは照れて頬を熱くすると目線をテーブルの上に向ける。
彼は王の顔でメグミに命ずる。
「三日に一度はメグミに和菓子を作ってもらう。ベルガモットの作る菓子もかなりうまいが、それだけでは飽きるし、物足りなくなってしまうんだ」
「はい」
「俺が王都へ出るのは、新しい産業の種を見つけたいのと、もう一つ。変わった菓子を探すためだ。これは趣味の一つだな」
ぷぷっと吹いたメグミは、堪らなくなって身体を伏せて大笑いしてしまった。コンラートは間違いなく“スイーツ男子”だ。