異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
しかし、帰る術は三年過ぎても見つからず、テツジがただ一言も元の世界へ戻りたいと言わなかった理由がメグミにはおぼろげに分かるので、サユリの希望を追求することもなく彼女は笑って流すだけだ。

菓子を作ったり売り子をしたりする仕事中は、髪は後頭部の低い位置で一つに括って垂らした。尻尾のようだ。

頭に、髪を押さえるための白くてフリルの付いたカチューシャのようなものをつけるのは、客寄せの意味もあるという。同じように白いエプロンもフリルの付いた胸当てのある可愛いものだ。
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