異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
メグミは空を見上げて、ふぅと息を吐いた。手に持っていたバケツを逆さにして最後の水を撒く。
水が豊富に使えるのは、裏庭にある井戸のお蔭だ。町の人たちは、大抵は縦横に流れる水路の水を使っていた。
「よし」
一通り済ませてから店の中の作業台へ向かう。
下拵えは昨夜のうちに済ませてある。
晩夏の季節を映して夏みかんを真似た形や、寒天を使った夏菓子を丁寧に作り、ショーケースの中に一つだけ置いて、あとは食品庫にある冷蔵庫へと移す。
テツジが、天草を原料とした寒天を持ち帰ったときには驚いた。よくぞあったものだ。お蔭で店に出す和菓子の幅も広がったのだ。
電気がないのでただの保管庫なっている冷蔵庫でも、庭の冷たい井戸の水を入れておくと暑い空気に晒されないという利点があった。
水が豊富に使えるのは、裏庭にある井戸のお蔭だ。町の人たちは、大抵は縦横に流れる水路の水を使っていた。
「よし」
一通り済ませてから店の中の作業台へ向かう。
下拵えは昨夜のうちに済ませてある。
晩夏の季節を映して夏みかんを真似た形や、寒天を使った夏菓子を丁寧に作り、ショーケースの中に一つだけ置いて、あとは食品庫にある冷蔵庫へと移す。
テツジが、天草を原料とした寒天を持ち帰ったときには驚いた。よくぞあったものだ。お蔭で店に出す和菓子の幅も広がったのだ。
電気がないのでただの保管庫なっている冷蔵庫でも、庭の冷たい井戸の水を入れておくと暑い空気に晒されないという利点があった。