異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
お客様に失礼は避けたい……が、作業中のところに入ってはいけませんという主張はしっかりする。後ろに下がって走って逃げてしまいたくなっても、だ。
このあたりのメグミの性質は頑固一徹だったテツジに似ている。和菓子の作る過程は見せたくないのだった。
「暖簾? そういえば出てなかったな。なにかの柄の入った布が六枚くらい連なったやつだろう? あれが出ないと営業時間じゃないってことだったか。すまん。奇妙な歌が気になったんでつい入ってしまった。何の歌だ? 聞いたことはないが」
コランはあっさり謝罪してきた。目を細めて笑ったようになると押しの強さが奥に隠れて可愛いい感じになる。こうなると、なんでもいいよと言ってしまいそうだ。
異世界でも最初から言葉は通じていた。しかし文字の読み書きはメグミたちが必死になって覚えねばならなかった。話せるので習得するのに短時間で済んだのは幸いだろう。
逆に、暖簾に書いてあるのは、メグミの故国の文字の一種で“カタカナ”というものだと説明しても、理解は得られない。当然だろう。ここは彼らの世界なのだから。
『カタカナを周囲に押しつけるのは無理だな。絵でいいさ』
とテツジが言い、サユリもメグミも賛同した。
『これは暖簾というもので、軒下に出したら、今から売りますっていう始まりの挨拶なんですので、よろしくお願いします』と説明した。
近所の人に言ったのはテツジでコランに伝えたのはメグミだ。
このあたりのメグミの性質は頑固一徹だったテツジに似ている。和菓子の作る過程は見せたくないのだった。
「暖簾? そういえば出てなかったな。なにかの柄の入った布が六枚くらい連なったやつだろう? あれが出ないと営業時間じゃないってことだったか。すまん。奇妙な歌が気になったんでつい入ってしまった。何の歌だ? 聞いたことはないが」
コランはあっさり謝罪してきた。目を細めて笑ったようになると押しの強さが奥に隠れて可愛いい感じになる。こうなると、なんでもいいよと言ってしまいそうだ。
異世界でも最初から言葉は通じていた。しかし文字の読み書きはメグミたちが必死になって覚えねばならなかった。話せるので習得するのに短時間で済んだのは幸いだろう。
逆に、暖簾に書いてあるのは、メグミの故国の文字の一種で“カタカナ”というものだと説明しても、理解は得られない。当然だろう。ここは彼らの世界なのだから。
『カタカナを周囲に押しつけるのは無理だな。絵でいいさ』
とテツジが言い、サユリもメグミも賛同した。
『これは暖簾というもので、軒下に出したら、今から売りますっていう始まりの挨拶なんですので、よろしくお願いします』と説明した。
近所の人に言ったのはテツジでコランに伝えたのはメグミだ。