異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
眠れないと思いながらも、うとうとしている間に朝になった。庭の方から朝日が射してくる。メグミはゆっくり起き上がって朝の支度にかかる。
――母さん。まだ寝ているの?
どきりとして寝息を確かめてしまう。大丈夫そうなので、着替えて顔を洗うと表の戸を開けた。そこへサユリが起きてくる。
「ごめんなさい。遅くなってしまったわ」
「まだ寝ていてもいいのに」
店へ出てゆくメグミのうしろで着替えをして、顔を洗うためにそちらへ向かう。
「母さん。今日は少し秋っぽいね」
振り返って笑う。
「そうね。大分暑さもなくな……って……」
サユリの身体がぐらりと傾いたと思ったら、柱に手を当てて身体を支えようとして、できなかった。蹲って膝を突くと、左胸を押さえた。
「母さんっ」
走って近寄ろうとするのに、脚がもつれたので奇妙な体制になった。腕を出して支える前に、サユリは胸を押さえた状態で床に倒れる。
「かあさん――……っ!」
朝の冴えた空気の中に、メグミの声が響く。
――母さん。まだ寝ているの?
どきりとして寝息を確かめてしまう。大丈夫そうなので、着替えて顔を洗うと表の戸を開けた。そこへサユリが起きてくる。
「ごめんなさい。遅くなってしまったわ」
「まだ寝ていてもいいのに」
店へ出てゆくメグミのうしろで着替えをして、顔を洗うためにそちらへ向かう。
「母さん。今日は少し秋っぽいね」
振り返って笑う。
「そうね。大分暑さもなくな……って……」
サユリの身体がぐらりと傾いたと思ったら、柱に手を当てて身体を支えようとして、できなかった。蹲って膝を突くと、左胸を押さえた。
「母さんっ」
走って近寄ろうとするのに、脚がもつれたので奇妙な体制になった。腕を出して支える前に、サユリは胸を押さえた状態で床に倒れる。
「かあさん――……っ!」
朝の冴えた空気の中に、メグミの声が響く。