異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
売り上げから仕入れその他の経費を引いた利益で、メグミとサユリが暮らしてゆくには十分だったが、薬を賄うには足りない。
――ぜんぜん足りないわ。
唖然としたが、だからと言って減らしてくれなどと言う気はない。メグミは体の横に垂らした両手をぎゅっと握りこむと、顎を引いて自分よりの背の高い医者を見上げる。
「薬代は用意します。五日後に取りに行きますので、よろしくお願いします」
すぅっと再び頭を下げた。
――いまはまだ貯金がある。でも、きっとすぐに底をついてしまう。
――ぜんぜん足りないわ。
唖然としたが、だからと言って減らしてくれなどと言う気はない。メグミは体の横に垂らした両手をぎゅっと握りこむと、顎を引いて自分よりの背の高い医者を見上げる。
「薬代は用意します。五日後に取りに行きますので、よろしくお願いします」
すぅっと再び頭を下げた。
――いまはまだ貯金がある。でも、きっとすぐに底をついてしまう。