異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
考えているうちに医院へ到着する。中へ入って医者に会い、追加の薬を頼んだ。

「先生。発作が起きたら、二倍の薬を飲ませるんですよね。十日分をお願いします。薬代は持ってきました」

「うーん。今はそれでいいが、悪くなると薬も強力なものに変えることになるから。結局、症状を抑えているだけなんだよね。途切れさせるのだけはだめだよ。――それで、言い難いことだけど、強い薬はそれだけ高価になる。心しておいて」

医者は、『強い薬は副作用もあるが、飲まないわけにはいかないよね』と付け加えた。『生き延びるのを最優先にするなら』――と。

「分かりました」
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